長期金利の転換点: 「金利ある世界」への静かなる移行
10年ぶりの金利上昇局面を、私たち運用委員会はどう見ているか。短期金利・長期金利・イールドカーブの三軸から、日本と海外の構造的な違いを整理します。
ここ数年、日本は実質的にゼロ金利の世界にありました。それでもメガトレンド戦略の組入れ判断は可能だったのは、企業サイドの構造変化は金利環境に依存しないからです。ただし、インカムファンドと引退世代のための安全資産配分には、金利水準そのものがリターンの源泉になります。
2024年末から日米で長期金利がじわり上昇し、私たちの想定にも合致する形で「金利のある世界」に戻りつつあります。短期金利の上昇は預金や短期債のインカム源泉を増やし、長期金利の上昇は債券価格の下落を通じて既存ポートフォリオの評価損を生みます。両方を理解したうえで、配分のリバランスを考える必要があります。
本レポートでは、三つのご質問にお答えします。第一に、なぜこのタイミングで金利が転換点を迎えたか。第二に、私たちの運用でインカムファンドの安全資産比率をどう見直しているか。第三に、引退世代が今からできる三つのアクション。
私たちのインカムファンドは平均デュレーションを3.5-4.5年に保つ設計のため、金利+1%程度のショックではポートフォリオの毀損は小さく済みます。むしろ今後は、インカム源泉が底上げされる局面と捉えています。